「あんな年寄りには、なりたくないわ」
ブツブツ云いながら買ってきた物をかたずけていると「どうしたん?そんな難しい顔して!」と90歳の母が心配そうにたずねてくれる。
「人間、年とると気が長くなる言うけど、あれ嘘やと思うわ!」
今日は広告の日やから、いつもより混んでいたんだけど、隣りのレジに牛乳1パック持ってた80才位のおじさんが、『なんや、いっつも暇なくせに!これ、買うだけやのにどんなけかかるんや』とレジの店員さんに聞こえよがしに云いながら並んでいて、会計が終わると買ったものをひったくるようにして出て行った様子を話した。
「そうか、年とってくるとな!思ったことがすぐに口に出るんよ。また、耳が遠なるせいか、声が大きなるしな。年寄りみんながそうやとは限らんけど、その爺さん、悪気はなかったと思うわ。ただ、もうちょっと『まあるい心』があったら、そんなこと、言わんとレジに並んではったかったかもしれんな」
話す母の優しい声を聞いてるうちに私の尖っていた気持ちは収まってきた。
そして、「花ちゃん、『まあるい心・優しい心』は、他人を思いやる気持ちにつながるんよ。」との母の言葉。
私もお母さんのようにまあるい心、優しい心を持ったお婆さんになりたいと思うのでした!