和ダンスの引き出しを整理していたら、納経帳に挟んでいたH旅行社のチラシが出てきた。あれから、もう10年経つのか!
子供たちも一人一人と離れ、いつしか独り暮らしになっていた。
やりがいを持って勤めていた会社に辞表を出し、手にした退職金は全部海外旅行に使った。
失業保険が出ている間、ボーと過ごしていた。
このままではだめだ、何かを始めよう!やる気を出さなければと思えば思うほど現実と離れた事を考えだす。
昼夜関係なく考えるようになり結局疲れダラダラとした毎日を送っていた。
何日かして、いつもなら読みもせず押入れ直行の新聞を「今日は読んでやろう」と思いページをおくっていくうち、四国八十八カ寺を巡る観光バスツアーの宣伝に目が止まった。その折り込みもあった。
隅々まで見終わったとき、いつの日か四国遍路をやりたいと思っていたことを思い出していた。
「申し込んでみよう」何日ぶりの行動だろうか!一連の手続き中、何故かワクワク感があった。
およそ2年かけ八十八カ寺を巡った後、善光寺へも行けた。その間これまでの自分と少しずつ向き合い、終末までの生活も考えられるようになっていた。
あの日、新聞を読んでやろうという行動をしなければ、今の私はなかったかもしれません。やる気はあるけどその気になれないとよく聞きます。(私も言っていたその一人です)
きっとやってみても達成できるだろうかという不安と、どうせ上手くいかないという諦めの気持ちが絡んでいるからだと思います。
これまで自分のやってきた行動が正かったのか悪かったのか意味のないものだったのか、解らなくなっている自分に、やる気を出せ、何かしらの行動をしろと求めても自身を追い詰めてしまうだけのように思います。
しかし、ここで考え方を変えてほしいのです。
やる気が起きない時には「活動を休む」ではなく「やれるところまでやる」の意識を是非にもってほしいのです!「やる気が出ないから活動できない」ではなく、「やる気を出すために行動する」に気持ちを切り替えてみてください。
「調子が悪いから何もできない」ではなく「調子が悪いなら悪いなりにここまでなら出来る」の方向に考えを持って行ってはどうでしょう。
やる気がその気になって心も体も動いてくれるように思うのですが⁉