夏休みの楽しみ、夏祭り・花火大会・盆踊り。新型コロナウイルスの感染対策で、残念ながら此処2年ばかり、これらの催しは中止されていたが、今年はどうだろう。
久方ぶりに魚津(富山県魚津市)の従妹から、電話が入った。
「姉ちゃん、今年は祭り、あるがいぜ。8月5日から8月7日にあるから来られよ」と弾んだ魚津なまりの声に、一気に盆踊りに興じていた頃を思い出していた。
夏休みの楽しみの一つだった盆踊り。
魚津で過ごしていた子供の頃、盆踊りは、お盆にお寺の境内で行われ、お寺の中には地獄絵図が描かれた屏風や巻物が展示されていた。集まった友達と踊りが始まるまで、怖いもの見たさで寺の奥座敷に上がっていた。毎年同じ地獄絵図なのに、いつも、「怖いわ~」と身をすくめて見たものだ。
やがて歌い手の音頭に合わせ、お囃子が始まる。自然に踊りの輪ができ、いつの間にか境内いっぱいになっていた。
知らない人から「上手に踊るねえ」と言われ、気を良くして踊ってたのに、もう遅いからと、連れて帰られるのが嫌で、膨れっ面のまま、家まで戻った事が思い出される。
それに反して中高生の頃は、いつも、グレーがかった感情に覆われていた。
モヤモヤした気分で楽しくなかったはずの盆踊りだが、欠かすことなく参加し最後まで踊っていた。
今振り返ると、盆踊りが好きというより、踊ることでくすぶる何とも言えない気持ちを発散していたように思う。
思春期と反抗期が重なり、大人の事情らしきものや、その人の本心を感じとるも、口に出せず、本当の自分の感情を押し殺しながら、良い子を演じて過ごしていた自分自身に苛立っていた気がする。
第53回じゃんとこい魚津まつり【市制施行70周年記念】
1970年(昭和45年)に「魚津観光まつり」として第一回が開催され、1987年(昭和62年)より現在の名称となった。魚津まつりでは、諏訪神社にて華麗な山車が引き回されるユネスコ無形文化遺産の「たてもん祭り」を始め、およそ650年の歴史を持つ魚津の伝統民謡「せり込み蝶六踊り」の街流し、そして今年は「海上花火大会」が2日間連続で開催されます。さらに、みんなの願いを込めた「UOZUスカイランタン」を夜空へと一斉に打ち上げ、海の駅蜃気楼会場の夜空を光で彩ります。
富山県を代表する民謡のひとつ “せり込み蝶六” 。速いテンポの音曲に合わせた躍動感溢れる踊り姿は、まるで極楽蝶が舞うかのよう。素朴でありながら凛としたカッコ良さに目を奪われます。 市民参加の「せり込み蝶六踊り街流し」は、今年3年ぶりの「じゃんとこい魚津まつり」初日、8月5日(金)に開催です。
さて、現在住むこの地区でも2019年8月には、精霊流しもあり、縁日屋台も多く出て賑やかに納涼盆踊りが催された。
いつもの盆踊りの歌や音頭の休みの間に、その頃流行っていた「パプリカ」の振付が教えられた。そして曲が流された。
するとそれまで観覧していた若い親御さんたちも小さな子供の手を引いて一緒に踊りの輪に入り、踊りだすと見る間に大きな二重の輪になっていった。
そこには、年齢に関係なく人々の笑顔があり、楽しいひと時が流れていた。
その時から3年目になる今年は、各地域で盆踊りが催されるだろうと期待していたが、コロナ感染者の急拡大で、盆踊りやイベントの開催を予定していた地域も、「第7波」とみて、残念ながら中止の決断を下すところも出ている。
いつの時代も、町内会や自治会、地域が協力し催される盆踊りは、年齢に関係なく住民どうしがつながりを持てる集いの場でもある。
ウイズコロナ時代と言われる今、何とか実施できないかと気が揉める今日この頃だ。