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今年は、紫陽花の花が不良で寂しい思いをしていたところ、アガパンサスが咲いてくれました。
サッシ戸を開け、アガパンサスの涼やかな青紫の花や、青々とした葉につたい落ちる雨雫を見ていると、ひんやりとした雨風が通り過ぎていきました。
蒸し暑さを忘れさせてくれる、心地良いひと時です。
天気予報番組で、関西の梅雨入りはいつになるか今日も、面白おかしく予想されています。
梅雨のさなかは、洗濯物は乾きにくい、カビが生えやすい、汗疹に悩むなど、うっとうしいと思う事も多々ありますが、6月の梅雨時を旬とする花や果物、魚介を目にすると、梅雨の季節ならではの楽しみもあります。
その一つは、決まってこの時期食べたくなる、茗荷(みょうが)を薬味に加えての冷やし素麺です。
(茗荷は、食べると物忘れがひどくなる、という迷信があるですが、むしろ茗荷の香味で集中力が増す働きがあるそうです)
その二は、和菓子の水無月(みなずき)です。三角の形をした和菓子で、外郎(ういろう)に小豆をのせて固めた羊羹のような和菓子です。
さて、季節の移ろいを感じとる節気の一つ、夏至が訪れるのもこの頃で、これから夏の盛りへと暑さが日に日に増していくのもこの時期からです。
夏至は、一年の暦の中で昼(日に出ている時間)がもっとも長く、夜が短い日を指し、冬至と比べると、夏至は4時間以上も昼間が長いのが特徴だそうです。
夏至は太陽の動きを基準に決められるため、毎年決まった日ではありませんが、今年(2024)は6月21日になります。
一年でもっとも雨が降る時期で、梅雨の訪れとともに暑さが日に日に増していくそんな今年の夏至は6/21から7/5になるそうです。
さてここで、夏至について白井明大著書「日本の七十二侯を楽しむー旧暦のある暮らしー」から一部分書かせていただきます。
夏至 初侯:乃東枯る(なつかれくさかれる)
うつぼくさの花穂(かすい)が黒ずんで枯れたように見えるころ。
その花穂は生薬として、昔から洋の東西を問わず役立ってきました。
(新暦では、およそ6月21日~6月25日ごろ)花穂は、穂のような形で咲く花のこと。
旬の草花:うつぼ草、または夏枯草(かごそう)とも呼ばれている
旬の魚介:鮎(6月に鮎釣りが解禁され、塩焼きが夏の訪れを知らせる)
旬の果物:夏みかん
夏至 次侯:菖蒲華さく(あやめはなさく)
あやめが花を咲かせるころ。この花が咲いたら、梅雨到来の目安でした。
(新暦では、およそ6月26日~6月30日ごろ)
旬の言葉:晴耕雨読
旬の魚介:かんぱち
旬の野菜:茗荷(みょうが)
旬の草花:あやめ
旬の兆し:青時雨(あおしぐれ)初夏、青々とした木々の葉に降りたまった雨が、ぱたぱたと落ちてくることをいう。
旬の行事:夏越の祓(なごしのはらえ)6月と12月には、罪や穢れを落とす祓の行事があり、6月の大祓を夏越の祓、12月を年越しの祓と呼んでいます。夏越の祓では、多くの神社に茅草(ちぐさ)でつくった輪が立てられ、茅の輪くぐりを行います。
夏至 末侯:半夏生ず(はんげしょうず)
半夏(からすびしゃく)が生えはじめるころ。
(新暦では、およそ7月1日~7月6日ごろ)
侯の言葉:祇園祭(京都の夏の風物詩、祇園祭は八坂神社の祭礼で、7月1日から一か月も行われる長い祭りです)
旬の魚介:はも
旬の野菜:おくら
旬の兆し:半夏雨(はんげあめ)夏至から数えて11日目が半夏生。田植えを済ませた農家が休息をとる日です。
著書「日本の七十二侯を楽しむー旧暦のある暮らしー」文:白井明大 発行所:東邦出版株式会社 この著書の二十四節気の夏至を引用せさせていただきました。
地球温暖化・気候変動が与える影響で日本の季節の移ろいは、悲しいかな曖昧になりつつあります。
日本の文化とも言えるその時期ならではの風物詩や、折々の祭りや行事は、人の身も心も豊かにしているに違いありません。
今こそ、自然の大切さに目を向け、自然の流れによりそう暮らしがいまの時代にも必要と思う今日この頃です。