「プロパガンダ」ニュースなんかでよく出てくる言葉ですが、この言葉の意味を解っていなかった私は、これまで、軽く聞き流していました。
しかし、9/10付の朝日新聞の「テレビ時評」で映画や報道映像が「映像プロパガンダ戦」として戦争遂行に深く影響している事に愕然としたのでした。
プロパガンダ(羅: propaganda)は、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持った行為のことである。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
戦争遂行のためのプロパガンダ
国家が戦争を遂行するためには、国民に戦争以外の選択肢はないことを信じ込ませるために国策プロパガンダが頻繁に行われる。
アーサー・ポンソンビーは、第一次世界大戦でイギリス政府が行った戦争プロパガンダを分析して、主張される事に関する10の要素を以下のように導き出した。
1.我々は戦争をしたくはない。
2.しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
3. 敵の指導者は悪魔のような人間だ。
4.我々は領土や覇権のためではなく、偉大な使命(大義)のために戦う(正戦論)。
5.我々も誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
6.敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
7.我々の受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大(大本営発表)。
8.芸術家や知識人も、正義の戦いを支持している。
9.我々の大義は、神聖(崇高)なものである(聖戦論)。
10.この正義に疑問を投げかける者は、裏切り者(売国奴、非国民)である。
フランスの歴史家アンヌ・モレリは、この十要素が第一次世界大戦に限らず、あらゆる戦争において共通していることを示した。そして、著書『戦争プロパガンダ10の法則』の序文中で、「私たちは、戦争が終わるたびに自分が騙されていたことに気づき、『もう二度と騙されないぞ』と心に誓うが、再び戦争が始まると、性懲りもなくまた罠にはまってしまう」と指摘している。
もちろん、普通の人間は戦争を望まない。(中略)
しかし最終的には、政策を決めるのは国の指導者であって、民主主義であれファシスト独裁であれ議会であれ共産主義独裁であれ、国民を戦争に参加させるのは、常に簡単なことだ。(中略)
とても単純だ。
国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。
この方法はどんな国でも有効だ。
— ヘルマン・ゲーリング ニュルンベルク裁判中、心理分析官グスタフ・ギルバートに対して
プロパガンダの種類
プロパガンダには大別して以下の分類が存在する。
ホワイトプロパガンダ :情報の発信元がはっきりしており、事実に基づく情報で構成されたプロパガンダ。
ブラックプロパガンダ: 情報の発信元を偽ったり、虚偽や誇張が含まれるプロパガンダ。
グレープロパガンダ: 発信元が曖昧であったり、真実かどうか不明なプロパガンダ。
コーポレートプロパガンダ :企業が自らの利益のためにおこなうプロパガンダ。
カウンタープロパガンダ: 敵のプロパガンダに対抗するためのプロパガンダ。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
上記の文面はプロパガンダに関してほんの一部でしかありません。詳細に知りたい方はプロパガンダ-Wikipedia のページの閲覧で多くの知識が得られるでしょう。
また、プロパガンダは『政治的な意図のある宣伝』の意味も持ちます。
特定の思想や行動に誘導する意図をもった行為そのものがプロパガンダと捉え、ビジネスシーンでのプロパガンダの手法を解り易く解説してある下記のホームページにも学びがありました。
「プロパガンダの意味とは?プロパガンダの意味とは?日本ではどんな手法がある?種類・言い換え表現・使い方も解説」Chewyhttps://chewy.jp/businessmanner/22650/
人の心を動かす「プロパガンダ」。そのプロパガンダを策する者の心の一例を載せ今日は終わりにしたいと思います。
大衆の受容能力は極めて狭量であり、理解力は小さい代わりに忘却力は大きい。
この事実からすれば、全ての効果的な宣伝は、要点を出来るだけ絞り、それをスローガンのように継続しなければならない。
この原則を犠牲にして、様々なことを取り入れようとするなら、宣伝の効果はたちまち消え失せる。
というのは、大衆に提供された素材を消化することも記憶することもできないからである。
大衆の圧倒的多数は、冷静な熟慮でなく、むしろ感情的な感覚で考えや行動を決めるという、女性的な素質と態度の持ち主である。
だが、この感情は複雑なものではなく、非常に単純で閉鎖的なものなのだ。
そこには、物事の差異を識別するのではなく、肯定か否定か、愛か憎しみか、正義か悪か、真実か嘘かだけが存在するのであり、半分は正しく、半分は違うなどということは決してあり得ないのである。
— アドルフ・ヒトラー「我が闘争」より