社会で当たり前の事として流されている事に、常に疑問をもち、とことん考え抜く青年「久能整」。 周囲に何が起きていようとも、喋らずにはいられないため「ウザイ、めんどくさい」と言われ続けて、生きてきた青年『久能整（くのうととのえ）』とバスハイジャ…

孫のサーちゃんが通う幼稚園から葉書が届いた。 どうも私の顔を描いたらしい。早速、娘に電話すると、「敬老の日に書いたお母さんの顔なんだけど、サーちゃん『絵』下手やねん」と云う。 私は正直、何が書いてあるのかちょっと解らなかったけど「きれいな色…

「お世話になりましたあ、おおきに～」デイケアーから帰ってきたお義母さん。 「花ちゃん、うちな・・今日、先生（介護士さん）や看護婦さん達に言われたんよ。 フジさんの〈おおきに〉の言葉、癒されるわって！うちは、〈ありがとう〉云わんと〈おおきに〉…

テレビを見ていたお義母さんの声のトーンが上がった。 「花ちゃん、この落語家さん死なはったわ」 人間国宝『桂米朝』さんの死去の訃報が流れていた。享年８９才。 「この人昔な、ええ事云うたはったんよ。うちメモしてたはずや！」 そう言って見せてくれた…

夕飯のかたずけを済ませコタツに入ると、夫の公ちゃんが会社での休憩中の話しをしだした。 「俺は嫁さんからこずかい貰ってる」と云うたら、勝さんに「課長、奥さんの尻に惹かれてますやん。僕なんか給料、僕が管理して嫁さんに、食費と雑費とこずかい含めて…

「あんな年寄りには、なりたくないわ」 ブツブツ云いながら買ってきた物をかたずけていると「どうしたん？そんな難しい顔して!」と９０歳の母が心配そうにたずねてくれる。 「人間、年とると気が長くなる言うけど、あれ嘘やと思うわ！」 今日は広告の日やか…

「３時やし、おやつにしましょ。それ頂戴！」 「はーい」私は仏さんにお供えしていた阿闍梨餅を、お母さんに渡した。 「花ちゃんもこれ好きやろ」と半分に割ろうとした。 「一つしかないからお婆ちゃん食べて」と言う私に、 「一つだからおいしい。分け合え…

「私、もうすっかり老人やわ」 義母に、老眼鏡の度数が上がった事を愚痴ると、 「そりゃしょうがないよ！誰にでも体の老いは来るもんよ。これ見せてあげよ。デイ（週に２回デイケアーに通っている）に掛けてあるカレンダーに良いこと書いてあったわ」 メモっ…

縁側で小鉄（愛犬）を抱いて日向ぼっこをしてたお義母さんが、何か思い出したように「花ちゃん、お金は大きい額でも小さい額でも貸さんこと！貸していながら返してと言いにくいもんやしな。親しい仲なら尚のこと！昔の人も『金を貸せば友と金とを共に失う』…

お義母さんが、友達三人と一緒に淡路島七福神巡りバスツアーに参加！ 張り切って出かける。 夕刻「ただいまぁ」母の声。玄関を開けるなり「ああ！しんどかったあ。やっぱり家が極楽やわ」喜寿の母にはバスツアーはチョットきつかったようだ。 お土産のお饅頭…

日本の古典芸能というテレビ番組で、観世流シテ方能楽師の観世清和さんが、常に心がけている思いの一つに「初心忘不可」の言葉を上げられていた。 観ていたお義母さんの言葉。 「この人ええ事言わはるわ。誰でも、慣れた頃に失敗したり、不満足な気持ちが出…

「記憶にございません」国会中継で証人喚問されていたS氏。 この言葉を聴いて「この人、誰のために嘘ついてるんやろ」と呟いた私に、 「天知る、地知る、我知る、人知る、やな。 『誰も見てない、知らないと思っても隠し事は天の神様も知っている、地の神様…